11月11日（土）より開催する前田昌良展に時祷書をご出品下さるMori Fine Art代表・森美紀子さんより、時祷書についての解説文を頂きました。お読み頂くと、さらに興趣が増すことと存じます。
≪時祷書（The Book of Hours）とは、中世ヨーロッパでキリスト教一般信徒のために書かれたお祈りの文言集です。暦、福音書、定時課（1日8回）、詩篇などで編纂されており、華麗な挿絵やイニシアルなどで装飾されて14～15世紀に盛んに制作されました。15世紀に印刷技術が発明されるまでは、牛や羊などの皮革を薄くなめして加工した紙の上に手で書写されて、人々の信仰を支え、伝えてきました。当時の書物は、今では考えられないほどの時間と労力をかけた結晶です。教会や博物館、美術館に書物の状態のまま残されたものもありますが、長い年月の間に書物から切り離されてページ（零葉）状になり、美術品として愛好されてコレクター間を転々としてきたものもあります。今回展示する時祷書は、名もない写字生あるいは出版業者によって制作されたものですが、繊細な文字や入り組んだ装飾、金箔を用いた華やかな細密画など見どころが多く、たくさんの物語が紡がれています。≫

＊Mori Fine Art代表・森美紀子さんは、11/11（土）・12（日）・18（土）・19（日）・25（土）・26（日）に在廊して下さる予定です。時祷書にご興味のある方は、週末にいらして頂ければ幸いです。

11月11日（土）から26日（日）まで、前田昌良さんの個展を開催します。今回は、時祷書（中世ヨーロッパで羊皮紙に書かれた祈りの文言集）の敬虔な美しさに惹かれた前田さんが、Mori Fine Artのコレクションの中から7葉を選び、自身の小さな動く彫刻と組み合わせて展示します。両者が響き合い生まれるささやかな祈りの空間を、ぜひご高覧下さい。詳細は「Exhibitions」をご参照下さいませ。
＊前田昌良さんの在廊予定日は、11/11（土）・12（日）・13（月）・15（水）・16（木）です。
＊11/19（日）までミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションにて開催中の「光へ漕ぐ舟」展に、前田さんの作品が展示されています。ぜひ併せてご覧下さい。

10月29日（日）まで開催中の鎌田奈穂展の会場風景・出品作品写真を「Exhibitions」にUPしました。毎日たくさんの方にベルを奏でて頂き、その音で空気が澄んでいくような心地で過ごしております。もうここにはいない誰かに、遠くのどこかに響いていくような音色。あと3日間となりましたが、ぜひ音色を響かせにいらして下さい。

今週末より、金工師・鎌田奈穂さんの個展「音／風」が始まります。鎌田さんは、初日の10月14日（土）に在廊予定です。翌日の10月15日（日）は、先月に続き知人の長谷川あみさんが、向かって一番右側の8号室にて「一日だけのお菓子店」をオープンします（14時～18時まで）。また、ご近所のLIVING MOTIFでは、日野明子さんが選んだ暮らしの道具の展示会「日本の道具　眺めのいいもの、馴染むもの」が開催されています（11月7日まで、11時～19時）。芸術の、そして食欲の秋、ぜひはしごしてお楽しみ下さい。

10月1日（日）をもちまして終了したロベール・クートラス展の会場風景・出品作品写真を「Exhibitions」にUPしました。クートラスが生前手放そうとしなかった作品たちが、岸真理子・モリアさんに託され、そして次に大切に守って下さる方のもとへ......という、作品の輪廻に立ち会えていることのありがたさと重みを実感する日々でした。ご高覧下さった皆様に、心より御礼申し上げます。

10月14日（土）より29日（日）まで、金工師・鎌田奈穂さんの個展を開催します。本展のテーマは「音／風」。音や風、かつて眺めた景色......心の奥底に眠るそれらの記憶を喚起するような、ベル・風鈴状のオブジェや水面を眺めるための水盤などの作品が並びます。視覚だけでなく聴覚や触覚でも味わって頂きたく、ご来廊頂けましたら幸いです。詳細は「Exhibitions」をご確認下さい。